してろくなものにならないね、』フィリーモンは白髪頭《しらがあたま》を振りながら言いました。『本当のところ、お前、彼等が行いを改めないと、あの村の人達全体の上に、何かおそろしいことが起りそうだぜ。しかし、お前とわしとは、神様がパンの一かけらでも恵んで下さる間は、気の毒な宿のない旅の人が通りかかって、ほしいといったら、いつもその半分を上げることにしたいもんだね。』
『そうだとも、じいさん! わたし達はそうしましょうとも!』ボーシスは言いました。
 この老人夫婦は――いいですか――まるで貧乏で、食べて行くためには、かなりひどく働かなくてはならなかったんですよ。フィリーモン爺さんは、お庭で一生けんめいに働きました。一方、ボーシス婆さんは、いつもいそがしそうに糸をつむいだり、おうちの牛の乳から少しばかりのバタやチーズをつくったり、そのほか、何や彼《か》やと家の中で立働いていました。二人のたべものは、パン、牛乳、お野菜、それから時々、おうちの蜜蜂の巣から取った蜂蜜がすこし、たまには、おうちの壁になった一房の葡萄、といったようなもので、ほかにはほとんど何もありませんでした。しかし、彼等はこの上もない
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