、彼はハーキュリーズも、その乗っている金色の椀も見えませんでした。それに、何よりもおどろくべきことには、その巨人は彼の大きな手をさし上げて、空を支《ささ》えているらしいのです。ハーキュリーズが雲をすかして見たところでは、空は彼の頭に乗っていました! これは実際、話が大きすぎて、ちょっと信じられない気がするくらいですが。
その間に、きらきら光った椀は、前へ前へと流れて、とうとう岸に着きました。ちょうどその時、風が巨人の顔の前から雲を吹きのけたので、ハーキュリーズはとても大きな目鼻立ちをしたその顔を見ました。両方の眼はそれぞれ向うの湖ほどもあり、鼻の長さは一マイル、それから口の幅も同じくらいありました。それは何分にも大きいので、恐しくはありましたが、何だか厭《いや》になってしまったような、疲れ切ったような顔でした。自分の力以上のものをかつがされている人を、今日《こんにち》でも君達はよく見るでしょうが、まああんな顔と思っていいでしょう。その巨人にとっての空は、ぺしゃんこにされてしまいそうになって苦しんでいる人達にとっての地上の苦労とちょうど同じでした。そして、人は自分の柄にもないことをすれ
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