く、それは立騒ぐ大波にもまれていました。しかし波はそれを上下にゆりうごかして、泡立った波頭《なみがしら》がその胴にぶっつかって盛《も》り上がるだけで、しぶきは決してそのお椀の縁を越えることはありませんでした。
『僕は今まで 沢山の巨人を見て来た、』とハーキュリーズは考えました、『しかし、こんな大きな椀で酒を飲まなければならないほどの巨人を見たことはない。』
そして、本当に、それはどんなに大きな椀だったことか知れません! それはとても――とても大きくて――いやしかし、つまるところ、僕はそれがどんなに途方もなく大きかったかを言いかねる位です。内輪にいっても、それは大きな水車の輪の十倍もあったでしょうか、そして、全部が金《かね》で出来ていたにも拘らず、小川を流れていくどんぐりの皿よりももっと軽々《かるがる》と、盛《も》り上がって来る磯波の上に浮かんでいました。波がそれをごろごろ転《ころ》がすように押して来て、とうとう、ハーキュリーズの立っているすぐ近くの岸に、その底がつきました。
そうなるとすぐに、彼はどうすればいいかが分りました。というのは、彼は今までに幾つとなくめざましい冒険を仕遂げ
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