《オウルド・ワン》」にちがいないと思いました。
そうです。これこそあの親切な娘達が彼に話して聞かせた「海の老人」にほかならなかったのでした。ちょうどうまく、その老人が眠っているところを見つけるなんて、自分はよほど運がいいのだと喜びながら、ハーキュリーズはしのび足で彼の方へ近づいて行って、彼の腕と脚とをつかまえました。
『ヘスペリディーズの庭へは、どう行けばいいか、教えてくれ、』老人がまだよく目もさまさないうちから、彼はそう叫びました。
君達にもたやすく想像がつく通り、「老人《オウルド・ワン》」はびっくりして目をさましました。しかし、彼がびっくりしたよりも、次の瞬間には、ハーキュリーズの方がもっとびっくりした位でした。というのは、急に「老人《オウルド・ワン》」が、彼のつかまえている手から消えたように思うと、いつのまにか彼は牡鹿の前足と後足とをつかまえているのでした! それでも彼は、しっかりとつかまえて放しませんでした。すると牡鹿が消えて、今度は海鳥になって、ハーキュリーズがその翼と足とをつかんでいると、ばたばたとあばれて啼き立てました! しかし、鳥は逃げ出すことが出来ませんでした。す
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