人物も高尚でしたが、心にはまるでその獅子のように激《はげ》しいところが大いにありました。彼は旅をつづけながら、始終、あの有名な庭へはこう行っていいのかどうかを尋ねました。しかし、田舎の人達は誰もそんなことは一向知らなかったので、多くの者は、もしも、その見知らぬ人がそんな大きな棍棒をさげていなかったら、その質問を笑ってやるんだがといったような顔をしました。
そうして、彼はやはり同じことを訊きながら、どんどん旅をつづけて、とうとうおしまいに、或る河の縁へ来ました。そこには幾人かの美しい若い女達が坐って、花環をあんでいました。
『可愛らしい娘さん達、ちょっとうかがいますが、ヘスペリディーズの庭へは、この道を行けばいいのでしょうか?』とその見知らぬ人は尋ねました。
その若い女達は、花を輪にあんで、お互の頭にかぶせ合って、みんなで楽しく遊んでいたのでした。そして彼等の指には、一種の不思議な力があると見えて、彼等がもてあそんでいると、花はもとの茎に咲いていた時よりも、よけいにいきいきと水気を含んで、色合いも一層あざやかに匂いも更に強くなるのでした。しかし、その見知らぬ人の質問を聞くと、彼等は花
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