「俺《わし》はベン・ガンだよ、そうさ。」と島に置去りにされた男は、もじもじして鰻のように体をくねらせながら、答えた。「で、」と彼は大分永く間をおいてから言い足した。「変りはねえかい、シルヴァーさん? まず達者だよ、有難う、ってとこだろう。」
「ベン、ベン、」とシルヴァーは呟いた。「お前に一|杯《ぺえ》喰わされようとはな!」
 医師は、謀叛人どもが逃げる時に棄てて行った鶴嘴《つるはし》を一挺取りに、グレーを戻らせた。それから、ボートのある処まで私たちがぶらぶらと山を下って行く間に、先生はそれまでに起った事を手短に物語ってくれた。その話はシルヴァーが心から興味を持ったものであった。そして薄馬鹿の置去り人《びと》のベン・ガンが始めから終りまでその主人公なのであった。
 ベンは、島中を永い間ただ一人でさまようている間に、例の骸骨を見つけた。――それの所持品を掠奪したのは彼であったのだ。彼は宝を見つけた。そしてそれを掘り上げた(あの穴の中に折れていたのは彼の鶴嘴の柄であった)。彼はその宝を背負って、高い松の樹の根もとから、島の北東隅の二つ峯の山にある洞穴まで、うんざりするほど何度も何度も往復
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