国の言葉はわかるだろう。己は選ばれてここで船長になってるんだぞ。己はずんと一番|偉《えれ》え人間だからこそここで船長になってるんだぞ。手前らにゃ分限紳士らしく勝負する気はねえんだ。それなら、畜生、己の言うことをきいてりゃいいんさ、まったくよ! ところで、己はこの子供が好きなんだ。こんないい子供は見たことがねえ。この子はこの小屋ん中にいる手前ら鼠野郎を二人一緒にしたよりも以上の人間だ。で、己の言うのはこうだ。この子に手をかける奴は己が相手になってやる、――これが己の言うことだ。違えねえぞ。」
 この後は永い合間があった。私は壁を背にしてまっすぐに立っていて、心臓はまだ大鎚のように烈しく動悸うっていたが、しかし今では一条の希望の光が胸の中に射《さ》し込んで来た。シルヴァーは壁に凭《もた》れかかって、腕を組み、パイプを口の隅に啣《くわ》えて、まるで教会にでもいるように落着いていた。それでも、眼は絶えずこっそりときょろきょろし、不従服な部下を眼尻で見ていた。彼等の方はと言うと、だんだんに丸太小屋の遠くの方の端へ寄り合ってゆき、彼等のひそひそと囁く低い声が流れのように私の耳に絶間なしに聞えて来た
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