中でだれかこの己[#「この己」に傍点]と議論か喧嘩《けんか》できまりをつけてえって奴がいるのか?」とシルヴァーは、まだ火のついているパイプを右手に持ったまま、樽の上の坐り場所からぐっと前へ身を屈めながら、奴鳴った。「どうしようってのか言ってみろ。手前らあ唖《おし》じゃあるめえ。してえ奴にゃさせてやる。己も永え年月《としつき》過して来て、今になって大馬鹿野郎めに己の面先《つらさき》で生意気な真似をさせておくと思うか? 手前たちだってやり方は心得てるんだ。みんな自分じゃ分限紳士のつもりなんだからな。さあ、いつだって向って来い。やれる奴は彎刀《カトラス》を手に取れ。そうすりゃ、己は、※[#「木+裃のつくり」、第3水準1−85−66]杖《かせづえ》をついちゃいるが、このパイプが空《から》にならねえうちに、其奴《そやつ》の臓腑がどんな色をしているか見てやろう。」
 だれも動かなかった。だれも答えなかった。
「それがお前たちのやり方だ、そうだろ?」と彼はパイプを口へ戻しながら言い足した。「そうさ、お前たちゃどのみち見掛ばかりの奴らだ。相手にするほどの値打もねえ、手前らはな。多分手前たちだって自分の
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