、」と彼はとうとう言い出した。――「己の考えじゃあな、ホーキンズ船長《せんちょ》、お前だって幾らか岸に着きてえんだろ、なあ。で、相談をするとしようじゃねえか。」
「ああ、よかろう、喜んで相談に乗るよ、ハンズ君。言ってみ給え。」と私は言った。そしてまたむしゃむしゃと食べ出した。
「この男はな、」と彼は、死骸を力なく頤で示しながら、言い始めた。――「オブライエンって名で、――げびたアイルランド人さ、――この男と己とが、船を戻すつもりで、船に帆を張ったのさ。ところがだ、奴はもう死んじゃった、奴はよ、――淦《あか》みてえに死んじゃった。で、だれが一|体《てえ》この船を走らせるかね。己の考えるとこじゃ、己がお前に教えてやらなきゃあ、お前はそんなことの出来る人間じゃねえ。そこでだ、いいかな、おい、お前は己に食物だの飲物だの、それから傷のとこを縛る古い肩巾《スカーフ》かハンケチだのを持って来てくれるんだ。いいかい。そうすりゃ、己はお前に船の動かし方を教えてやろう。それなら何もかも五分五分だろうと思うがな。」
「僕も一つ言いたいことがあるんだがね。」と私が言った。「僕はキッド船長の碇泊所へは戻らない。
前へ 次へ
全412ページ中274ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
スティーブンソン ロバート・ルイス の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング