れ/\》しくて犯《をか》し易《やす》からぬ品《ひん》の可《い》い、如何《いか》なることにもいざとなれば驚《おどろ》くに足《た》らぬといふ身《み》に応《こたへ》のあるといつたやうな風《ふう》の婦人《をんな》、恁《か》く嬌瞋《きやうしん》を発《はつ》しては屹度《きつと》可《い》いことはあるまい、今《いま》此《こ》の婦人《をんな》に邪慳《じやけん》にされては木《き》から落《お》ちた猿《さる》同然《どうぜん》ぢやと、おつかなびつくりで、おづ/\控《ひか》へて居《ゐ》たが、いや案《あん》ずるより産《うむ》が安《やす》い。
(貴僧《あなた》、嘸《さぞ》をかしかつたでござんせうね、)と自分《じぶん》でも思《おも》ひ出《だ》したやうに快《こゝろよ》く微笑《ほゝゑ》みながら、
(為《し》やうがないのでございますよ。)
 以前《いぜん》と変《かは》らず心安《こゝろやす》くなつた、帯《おび》も早《は》や締《し》めたので、
(其《それ》では家《うち》へ帰《かへ》りませう。)と米磨桶《こめとぎをけ》を小脇《こわき》にして、草履《ざうり》を引《ひつ》かけて衝《つ》と崖《がけ》へ上《のぼ》つた。
(お危《あぶの》う
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