具《かたわ》。
之《これ》が引摺《ひきず》つて、足《あし》を見《み》ながら情《なさけ》なさうな顔《かほ》をする、蟋蟀《きり/″\す》が※[#「怨」の「心」に代えて「手」、第4水準2−13−4]《も》がれた脚《あし》を口《くち》に啣《くは》へて泣《な》くのを見《み》るやう、目《め》もあてられたものではない。
しまひには泣出《なきだ》すと、外聞《ぐわいぶん》もあり、少焦《すこぢれ》で、医者《いしや》は可恐《おそろし》い顔《かほ》をして睨《にら》みつけると、あはれがつて抱《だ》きあげる娘《むすめ》の胸《むね》に顔《かほ》をかくして縋《すが》る状《さま》に、年来《ねんらい》随分《ずゐぶん》と人《ひと》を手《て》にかけた医者《いしや》も我《が》を折《を》つて腕組《うでくみ》をして、はツといふ溜息《ためいき》。
軈《やが》て父親《てゝおや》が迎《むかひ》にござつた、因果《いんぐわ》と諦《あきら》めて、別《べつ》に不足《ふそく》はいはなんだが、何分《なにぶん》小児《こども》が娘《むすめ》の手《て》を放《はな》れようといはぬので、医者《いしや》も幸《さひはひ》、言訳《いひわけ》旁《かた/″\》、
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