》ひ、髪《かみ》の長《なが》い、兄貴《あにき》がおぶつて山《やま》から出《で》て来《き》た。脚《あし》に難渋《なんじう》な腫物《しゆもつ》があつた、其《そ》の療治《れうぢ》を頼《たの》んだので。
 固《もと》より一|室《ま》を借受《かりう》けて、逗留《たうりう》をして居《を》つたが、かほどの悩《なやみ》は大事《おほごと》ぢや、血《ち》も大分《だいぶん》に出《だ》さねばならぬ殊《こと》に子供《こども》手《て》を下《お》ろすには体《からだ》に精分《せいぶん》をつけてからと、先《ま》づ一|日《にち》に三ツづゝ鶏卵《たまご》を飲《の》まして、気休《きやす》めに膏薬《かうやく》を張《は》つて置《お》く。
 其《そ》の膏薬《かうやく》を剥《は》がすにも親《おや》や兄《あに》、又《また》傍《そば》のものが手《て》を懸《か》けると、堅《かた》くなつて硬《こは》ばつたのが、めり/\と肉《にく》にくツついて取《と》れる、ひい/\と泣《な》くのぢやが、娘《むすめ》が手《て》をかけてやれば黙《だま》つて耐《こら》へた。
 一|体《たい》は医者殿《いしやどの》、手《て》のつけやうがなくつて、身《み》の衰《おとろ
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