》を送《おく》らうと思《おも》つて居《ゐ》た処《ところ》で。
実《じつ》を申《まを》すと此処《こゝ》へ来《く》る途中《とちう》でも其《そ》の事《こと》ばかり考《かんが》へる、蛇《へび》の橋《はし》も幸《さいはひ》になし、蛭《ひる》の林《はやし》もなかつたが、道《みち》が難渋《なんじふ》なにつけても汗《あせ》が流《なが》れて心持《こゝろもち》が悪《わる》いにつけても、今更《いまさら》行脚《あんぎや》も詰《つま》らない。紫《むらさき》の袈裟《けさ》をかけて、七|堂伽藍《だうがらん》に住《す》んだ処《ところ》で何程《なにほど》のこともあるまい、活仏様《いきほとけさま》ぢやといふてわあ/\拝《おが》まれゝば人《ひと》いきれで胸《むね》が悪《わる》くなるばかりか。
些《ち》とお話《はなし》もいかゞぢやから、前刻《さツき》はことを分《わ》けていひませなんだが、昨夜《ゆふべ》も白痴《ばか》を寝《ね》かしつけると、婦人《をんな》が又《また》炉《ろ》のある処《ところ》へやつて来《き》て、世《よ》の中《なか》へ苦労《くらう》をして出《で》やうより、夏《なつ》は涼《すゞ》しく、冬《ふゆ》は暖《あたゝか》
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