ち》ぢやから見附《みつ》かると叱《しか》られる、之《これ》を股引《もゝひき》や袴《はかま》と一|所《しよ》に戸棚《とだな》の上《うへ》に載《の》せて置《お》いて、隙《ひま》さへあればちびり/\と飲《の》んでた男《をとこ》が、庭掃除《にはさうじ》をするといつて、件《くだん》の蜂《はち》の巣《す》を見《み》つけたつけ。
椽側《えんがは》へ遣《や》つて来《き》て、お嬢様《ぢやうさま》面白《おもしろ》いことをしてお目《め》に懸《か》けませう、無躾《ぶしつけ》でござりますが、私《わたし》の此《こ》の手《て》を握《にぎ》つて下《くだ》さりますと、彼《あ》の蜂《はち》の中《なか》へ突込《つツこ》んで、蜂《はち》を掴《つか》んで見《み》せましやう。お手《て》が障《さは》つた所《ところ》だけは刺《さ》しましても痛《いた》みませぬ、竹箒《たけばうき》で引払《ひツぱた》いては八|方《ぱう》へ散《ちらば》つて体中《からだぢう》に集《たか》られては夫《それ》は凌《しの》げませぬ即死《そくし》でございますがと、微笑《ほゝゑ》んで控《ひか》へる手《て》で無理《むり》に握《にぎ》つて貰《もら》ひ、つか/\と行《ゆ》くと、凄《すさま》じい虫《むし》の唸《うなり》、軈《やが》て取《と》つて返《かへ》した左《ひだり》の手《て》に熊蜂《くまばち》が七ツ八ツ、羽《は》ばたきをするのがある、脚《あし》を揮《ふる》ふのがある、中《なか》には掴《つか》んだ指《ゆび》の股《また》へ這出《はひだ》して居《ゐ》るのがあツた。
さあ、那《あ》の神様《かみさま》の手《て》が障《さは》れば鉄砲玉《てツぱうだま》でも通《とほ》るまいと、蜘蛛《くも》の巣《す》のやうに評判《ひやうばん》が八|方《ぱう》へ。
其《そ》の頃《ころ》からいつとなく感得《かんとく》したものと見《み》えて、仔細《しさい》あつて、那《あ》の白痴《ばか》に身《み》を任《まか》せて山《やま》に籠《こも》つてからは神変不思議《しんぺんふしぎ》、年《とし》を経《ふ》るに従《したが》ふて神通自在《じんつうじざい》ぢや、はじめは体《からだ》を押《お》つけたのが、足《あし》ばかりとなり、手《て》さきとなり、果《はて》は間《あひだ》を隔《へだ》てゝ居《ゐ》ても、道《みち》を迷《まよ》ふた旅人《たびゞと》は嬢様《ぢやうさま》が思《おも》ふまゝはツといふ呼吸《いき》で変《
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