部の課程は、精神講座、数学、自然科学、人文科学、日本文学、外国語、外国文学等に大別します。中に外国語は英仏両語を課し、日本文学と外国文学とでは、現代文学の外に古典をも課します。数学科で理学博士|寺田寅彦《てらだとらひこ》先生の御意見に由って第一年級より代数を教えるというような特殊の新教育法を他の諸科においても断行致します。
創作部の課程は、文学、絵画、西洋音楽、西洋舞踊、図案、手芸等に大別し、いずれもそれらの基礎教育を施すと共に、個性的な自由製作を激励しようと思います。
*
以上の課程は、いずれも学生が一通り聴講せねばならないということにおいて必修科目のようですが、従来のような各科にわたる試験をしませんから、試験のために勉強することがなくなれば、いずれの学科の聴講も苦痛にはなるまいと思います。進級のためには、学生があらかじめ自己の興味のある学科を修養部と創作部とにおいて四種だけ随意に選択して置いて、その課目について試験を受けるという制度にしたいと思います。学生は特に一能一芸に秀《すぐ》れてさえおれば、他の学科は聴講しただけで立派に進級させるつもりです。大学部になれ
前へ
次へ
全11ページ中7ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
与謝野 晶子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング