を持つた若者が幾人も幾人も走《はし》[#ルビの「はし」はママ]しつて行《ゆ》く、四五町先へ神輿《みこし》が来た頃から危ながつて道端《みちはた》に居る人が皆店の上へ上《あが》つて来る。幾千の弓張《ゆみはり》提灯の上を神輿《みこし》が自然《ひとり》で動くやうに見えて四方に懸けた神鏡《しんきやう》がきら/\として通つた後《あと》二三十分で祭の街は死んだやうに静かになつて、海の風が藻《も》の香《か》を送る。
底本:「精神修養」
1911(明治44)年8月号
※「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に基づいて、底本の旧字を新字にあらためました。
※底本の総ルビを、パラルビにあらためました。
※脱落が疑われる、『旦那様、ありがたう。御寮人様、ありがたう。』の後の改行を補いました。
入力:武田秀男
校正:門田裕志
2003年2月16日作成
2003年5月18日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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