に出したら、
それが白馬《はくば》になつて飛ばうとする。
お待ち、お待ち、天へ昇るのは。
まだ足らぬ、春風が。


  〔無題〕

魯迅と郭沫若と、
胡適と周作人と、
彼等とわたしの間に
塹壕は無いのだけれど、
重砲が聾にしてしまふ。


  日本国民 朝の歌

ああ大御代の凜凜しさよ、
人の心は目醒めたり。
責任感に燃ゆる世ぞ、
「誠」一つに励む世ぞ。

空疎の議論こゑを絶ち、
妥協、惰弱の夢破る。
正しき方《かた》に行くを知り、
百の苦難に突撃す。

身は一兵士、しかれども、
破壊筒をば抱く時は、
鉄条網に躍り入り、
実にその身を粉《こ》と成せり。

身は一少佐、しかれども、
敵のなさけに安んぜず、
花より清く身を散らし、
武士の名誉を生かせたり。

其等の人に限らんや、
同じ心の烈士たち、
わが皇軍の行く所、
北と南に奮ひ起つ。

わづかに是れは一《いつ》の例。
われら銃後の民もまた、
おのおの励む業《わざ》の為め、
自己の勇気を幾倍す。

武人にあらぬ国民も、
尖る心に血を流し、
命を断えず小刻みに
国に尽すは変り無し。

たとへば我れの此歌も、
破壊筒をば抱きながら
鉄条網に
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