やけた、保守的妥協的の悪気風を一掃して掛かる意気込が必要です。抜擢しようとすれば、教育界にもその他の社会にもそれだけの実力を抱きながら、空しく雌伏《しふく》している人材は無数にあります。私の考えをいえば、臨時教育会議は今のような顔触を一切廃して、東西両大学、各高等学校、男女各高等師範、私立大学、中学、高等女学校等の俊秀な青壮年教授を主として抜擢し、それに教育界以外の同じく青壮年の識者をあらゆる社会から代表的に選択して組織すべきであって、その議題は少数の時代遅れな老政治家、老教育家達に由って決定されるほどの閑問題でないのですから、その討議も今のように秘密主義で通すことなく、一々これを国民の前に公表すべきものであると思います。私は一人の婦人教育家をも加えない教育会議というものは全く世界の趨勢《すうせい》を透察せず、日本の女子を蔑視《べっし》した不親切|極《きわま》る組織だと考えます。
果して私の想像していた通り、あの顔触で出来上った臨時教育会議からは、今日まで、一九一七年の春に英国の議院でなされた彼国の新文部大臣フィッシャア氏の大演説が異邦の我々さえも襟《えり》を正さしめたような、時代と
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