だすな、二人でお家《うち》ごつこなんてして遊んだら面白うおますやろ、今日行きませう、燈籠へ。」
 加賀田さんは直ぐに賛成をしたのでした。私は其《その》日のお昼飯を平生の半分の時間も使はず済ませて、急いで加賀田さんの門口《かどぐち》まで行きますと、もうおみきさんは先刻《さつき》から待つて居たと云ふのでした。二人は手を引き合つて住吉《すみよし》神社の宿院《しゆくゐん》のお旅所《たびしよ》の隣にある大燈籠の所へ行きました。石段が五六段あつて、二つの燈籠の並んだ廻りの石も二尺位の幅のあるものなのです。その二三日前に見知らない子が二三人その上へ上つて遊んで居るのを見て私は羨しく思つたのです。初めて上へ上つて見ますと、地上からは一|丈《ぢやう》も離れて居て、向うの青物市場《あをものいちば》などがよく見えて面白いのです。二人は燈籠と燈籠の間をお廊下だと云つて通つたり、二階から降りませうと云つて下へ降りたり、花園へ行くと云つて玉垣《たまがき》の傍《そば》に生えた草を摘んだりして居ました。丁度《ちやうど》二人が上に居て燈籠の脚元《あしもと》へ腰を掛けて居ます時に、突然わあつと云ふ声がして、ばらばらと穢《
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