る人である、こんなに姉たちに似た人の存在を今まで自分は知らずにいたとは迂闊《うかつ》なことであった。これよりも低い身分の人であっても恋しい面影をこんなにまで備えた人であれば自分は愛を感ぜずにはおられない気がするのに、ましてこれは認められなかったというだけで八の宮の御娘ではないかと思ってみると、限りもなくなつかしさうれしさがわいてきた。今すぐにも隣室へはいって行き、「あなたは生きていたではありませんか」と言い、自身の心を慰めたい、蓬莱《ほうらい》へ使いをやってただ証《しるし》の簪《かんざし》だけ得た帝は飽き足らなかったであろう、これは同じ人ではないが、自分の悲しみでうつろになった心をいくぶん補わせることにはなるであろうと薫が思ったというのは宿縁があったものであろう。
尼君はしばらく話していただけであちらへ行ってしまった。女房らの不思議がっていたかおりを自身も嗅《か》いで、薫ののぞいていることを悟ったためによけいなことは何も言わなかったものらしい。
日も暮れていったので、薫も静かに座へもどり、上着を被《き》たりなどして、いつも尼君と話す襖子《からかみ》の口へその人を呼んで姫君のことなど
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