なこと、私が言ったように人が皆思うだろうから」
と言って困ったような顔をしていると、
「大丈夫でございますよ。聞いた人が判断いたしますよ」
と中納言は言って、そのまま包んで出した。新令嬢はそれを見て、
「うまいお歌だこと、まつとお言いになったのだから」
と言って、甘いにおいの薫香《くんこう》を熱心に着物へ焚《た》き込んでいた。紅《べに》を赤々とつけて、髪をきれいになでつけた姿にはにぎやかな愛嬌《あいきょう》があった、女御との会談にどんな失態をすることか。
底本:「全訳源氏物語 中巻」角川文庫、角川書店
1971(昭和46)年11月30日改版初版発行
1994(平成6)年6月15日39版発行
※このファイルは、古典総合研究所(http://www.genji.co.jp/)で入力されたものを、青空文庫形式にあらためて作成しました。
※校正には2002(平成14)年1月15日44版を使用しました。
入力:上田英代
校正:砂場清隆
2003年8月31日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.g
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