家のように寧《むし》ろ※[#「言+墟のつくり」、第4水準2−88−74]には巧みだった。が、いつも彼女には一籌《いっちゅう》を輸《ゆ》する外はなかった。彼女は実に去年の※[#「言+墟のつくり」、第4水準2−88−74]をも五分前の※[#「言+墟のつくり」、第4水準2−88−74]のように覚えていた。
又
わたしは不幸にも知っている。時には※[#「言+墟のつくり」、第4水準2−88−74]に依る外は語られぬ真実もあることを。
諸君
諸君は青年の芸術の為に堕落することを恐れている。しかしまず安心し給え。諸君ほどは容易に堕落しない。
又
諸君は芸術の国民を毒することを恐れている。しかしまず安心し給え。少くとも諸君を毒することは絶対に芸術には不可能である。二千年来芸術の魅力を理解せぬ諸君を毒することは。
忍従
忍従はロマンティックな卑屈である。
企図
成すことは必しも困難ではない。が、欲することは常に困難である。少くとも成すに足ることを欲するのは。
又
彼等の大小を知らんとするものは彼等の成したことに依り、彼等の成さんとし
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