貴様なぞは死人も同様だぞ。たとひ一時の責塞《せめふさ》ぎにもしろ、なぜあいつを学ばないのだ? (編輯者に)貴様も心がけはよろしくないぞ。見かけ倒しの原稿を載せるのは、亜米利加《アメリカ》でも法律問題になりかかつてゐる。ちつとは目前《もくぜん》の利害の外《ほか》にも、高等な物のある事を考へろ。
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編輯者も作家も声を出す事|能《あた》はず、茫然《ばうぜん》と覆面の人を見守るのみ。
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[#地から1字上げ](大正十年頃カ)
[#地から1字上げ]〔未定稿〕
底本:「筑摩全集類聚 芥川龍之介全集第四巻」筑摩書房
1971(昭和46)年6月5日初版第1刷発行
1979(昭和54)年4月10日初版第11刷発行
入力:土屋隆
校正:松永正敏
2007年6月26日作成
青空文庫作成ファイル:
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