《かいひ》にいる君の幸福を祈ると共に、一まずこの手紙も終ることにしよう。ラッサは今家々の庭に桃の花のまっ盛りである。きょうは幸い埃風《ほこりかぜ》も吹かない。僕等はこれから監獄《かんごく》の前へ、従兄妹同志《いとこどうし》結婚した不倫《ふりん》の男女の曝《さら》しものを見物に出かけるつもりである。……
[#地から1字上げ](大正十三年三月)



底本:「芥川龍之介全集5」ちくま文庫、筑摩書房
   1987(昭和62)年2月24日第1刷発行
   1995(平成7)年4月10日第6刷発行
底本の親本:「筑摩全集類聚版芥川龍之介全集」筑摩書房
   1971(昭和46)年3月〜1971(昭和46)年11月
入力:j.utiyama
校正:かとうかおり
1999年1月5日公開
2004年3月7日修正
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