続文芸的な、余りに文芸的な
芥川龍之介

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)死者生者《ししやせいしや》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)一|爪痕《さうこん》を

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#「それは文芸上の技巧に過ぎない」に傍点]

〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ
(例)〔Nicolas Se'gur〕 の
アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください
http://aozora.gr.jp/accent_separation.html
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     一 「死者生者」

「文章倶楽部」が大正時代の作品中、諸家の記憶に残つたものを尋ねた時、僕も返事をしようと思つてゐるうちについその機会を失つてしまつた。僕の記憶に残つてゐるものはまづ正宗白鳥氏の「死者生者《ししやせいしや》」である。これは僕の「芋粥」と同じ月に発表された為、特に深い印象を残した。「芋粥」は「死者生者」ほど完成してゐない。唯幾分か新しかつただけである。が、「死者生者」は不評判だつた。「芋粥」は――「芋粥」の不評判だつ
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