が起るのを感じた。そうしてその光の中に、大勢《おおぜい》の男女の歓喜する声が、澎湃《ほうはい》と天に昇《のぼ》るのを聞いた。
「大日※[#「靈」の「巫」に代えて「女」、第3水準1−47−53]貴《おおひるめむち》! 大日※[#「靈」の「巫」に代えて「女」、第3水準1−47−53]貴! 大日※[#「靈」の「巫」に代えて「女」、第3水準1−47−53]貴!」
「新しい神なぞはおりません。新しい神なぞはおりません。」
「あなたに逆《さから》うものは亡びます。」
「御覧なさい。闇が消え失せるのを。」
「見渡す限り、あなたの山、あなたの森、あなたの川、あなたの町、あなたの海です。」
「新しい神なぞはおりません。誰も皆あなたの召使です。」
「大日※[#「靈」の「巫」に代えて「女」、第3水準1−47−53]貴! 大日※[#「靈」の「巫」に代えて「女」、第3水準1−47−53]貴! 大日※[#「靈」の「巫」に代えて「女」、第3水準1−47−53]貴!」
 そう云う声の湧き上る中に、冷汗になったオルガンティノは、何か苦しそうに叫んだきりとうとうそこへ倒れてしまった。………
 その夜《よ》も三更《さんこう
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