松江印象記
芥川龍之介
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)この市《まち》を縦横《じゅうおう》に
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)詩人|石※[#「土へん+逮のつくり」、第3水準1−15−50]《せきたい》翁
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(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「土へん+逮のつくり」、第3水準1−15−50]
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一
松江へ来て、まず自分の心をひいたものは、この市《まち》を縦横《じゅうおう》に貫いている川の水とその川の上に架《か》けられた多くの木造の橋とであった。河流の多い都市はひとり松江のみではない。しかし、そういう都市の水は、自分の知っている限りでたいていはそこに架けられた橋梁《きょうりょう》によって少からず、その美しさを殺《そ》がれていた。なぜといえば、その都市の人々は必ずその川の流れに第三流の櫛形《くしがた》鉄橋を架けてしかもその醜い鉄橋を彼らの得意なものの一つに数えていたからである。自分はこの間《かん》にあって愛すべ
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