才一巧亦不二
芥川龍之介

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)十《とを》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)子供の時|悧巧《りかう》でも

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)陳※[#「火+韋」、第3水準1−87−54]《ちんゐ》
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 ヴオルテエルが子供の時は神童だつた。
 処が、或る人が、
「十《とを》で神童、十五で才子、二十《はたち》過ぎれば並《なみ》の人、といふこともあるから、子供の時に悧巧《りかう》でも大人《おとな》になつて馬鹿《ばか》にならないとは限らない。だから神童と云はれるのも考へものだ」と云つた。
 すると、それを聞いたヴオルテエルが、その人の顔を眺めながら、
「おじさんは子供の時に、さぞ悧巧《りかう》だつたでせうね」と云つたといふことがある。
 これと全然同じ話が支那にもある。
 北海《ほくかい》の孔融《こうゆう》が矢張《やは》り神童だつた。
 処が、大中大夫《だいちうだいふ》陳※[#「火+韋」、第3水準1−87−5
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