近頃の幽霊
芥川龍之介
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)幽霊《いうれい》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)中々|奇抜《きばつ》な
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地から1字上げ](大正十一年一月)
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西洋の幽霊《いうれい》――西洋と云つても英米だけだが、その英米の小説に出て来る、近頃の幽霊の話でも少ししませう。少し古い所から勘定《かんぢやう》すると、英吉利《イギリス》には名高い「オトラントの城」を書いたウオルポオル、ラドクリツフ夫人、マテユリン(この人の「メルモス」は、バルザツクやゲエテにも影響を与へたので有名だが)、「僧《モンク》」を書いて僧《モンク》ルイズの渾名《あだな》をとつたルイズ、スコツト、リツトン、ボツグなどがあるし、亜米利加《アメリカ》にはポオやホウソオンがあるが、幽霊――或は一般に妖怪《えうくわい》を書いた作品は今でも存外《ぞんぐわい》少くない。殊に欧洲の戦役以来、宗教的感情が瀰漫《びまん》すると同時に、いろいろ戦争に関係した幽霊の話も出て来たやうです。戦争文学に怪談が多いなど
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