煙管
芥川龍之介
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)加州《かしゅう》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)石川|郡《ごおり》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)うすいも[#「うすいも」に傍点]のある顔を
〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ
(例)主な 〔role^〕 をつとめる
アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください
http://aozora.gr.jp/accent_separation.html
−−
一
加州《かしゅう》石川|郡《ごおり》金沢城の城主、前田|斉広《なりひろ》は、参覲中《さんきんちゅう》、江戸城の本丸《ほんまる》へ登城《とじょう》する毎に、必ず愛用の煙管《きせる》を持って行った。当時有名な煙管商、住吉屋七兵衛《すみよしやしちべえ》の手に成った、金無垢地《きんむくじ》に、剣梅鉢《けんうめばち》の紋《もん》ぢらしと云う、数寄《すき》を凝《こ》らした煙管《きせる》である。
前田家は、幕府の制度によると、五世《ごせ》、加賀守綱紀《かがのかみつなのり》
次へ
全17ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
芥川 竜之介 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング