す》があった。二人は墓前に紅梅の枝を手向《たむ》けた。それから新しい四基の石塔に順々に水を注いで行った。……
後年|黄檗慧林《おうばくえりん》の会下《えか》に、当時の病み耄けた僧形とよく似寄った老衲子《ろうのうし》がいた。これも順鶴《じゅんかく》と云う僧名《そうみょう》のほかは、何も素性《すじょう》の知れない人物であった。
[#地から1字上げ](大正九年四月)
底本:「芥川龍之介全集3」ちくま文庫、筑摩書房
1986(昭和61)年12月1日第1刷発行
1996(平成8)年4月1日第8刷発行
底本の親本:「筑摩全集類聚版芥川龍之介全集」筑摩書房
1971(昭和46)年3月〜1971(昭和46)年11月
入力:j.utiyama
校正:かとうかおり
1999年1月12日公開
2004年3月10日修正
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