三を書きつけて序に忘れてしまはふ[#「ふ」に「ママ」の注記]。さうすればもう「去年」を誰へ呉れてもいゝ。
全く、生きてゐることがなかなかめんどうなのはわかりきつてゐるが、それかと言つて何時まで生てゐるものか自分のことながら不明だ。
「全詩人聯合はその後どうなつたか」
私は全詩人聯合の第一号発刊の直後から事務をとらなかつたばかりでなく、その後の状態にも通じてゐないわけがあるのだけれどもくはしく述べることが出来ない。丁度その時事情があつて私は妻と別れたのだ、私は家をたゝむ前に単身家から逃げ出してゐた。突然に起つたことなので、他の世話人へ事務を引きついだこと以外に何もしなくつてもいゝと思つたのだ。
そして、妻とのことの一切の結末をつけて上京したのが七月の初めであつたが、しばらくは出歩く気もちにはなれなかつた。詩集などをもらつてもお礼さへしなかつたこともあると思ふ。私の手もとへとどかなかつた郵便物もあつたらう。
かんべんしてもらひたい。
×
妻と別れたことに就ては私はその間の事情を見てゐた二三人の人以外には語らなかつたが、私はそれ以後数人の友人から悔みを言はれた。勿論、別れる
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