いぶん大きなセンセイシヨンを起しましたが、間もなく、その写真に写つた馬のやうな形は国ではなく、雲が写つたのではないかといふ疑問が起りました。そこでひきつゞいて円形派の博士達に依つて同じ方法で試め[#「め」に「ママ」の注記]されましたが、今度は尾の方が体よりも大きい狐の襟巻のやうなものが写つてゐました。三角派だつてじつとはしてはゐませんでした。やはり同じ方法で写真を写して降りて来たのですが、写つている棒のやうなものが写真の乾板の両端からはみ出してゐたので、どうにもなりませんでした。
又、これも失敗に終つたのでしたが、大砲の弾丸に目もりをした長い長いこれ位ひ[#「ひ」に「ママ」の注記]長ければ国の端にとゞいても余るだろうと誰もが思つたほど長いテイプを結びつけて打つた博士がありました。が、まだいくらでもテイプが残つていたのに大砲の弾丸は八里ばかり先の原つぱに落ちてゐたのでした。これはあまり馬鹿げているといふので、新聞の漫画になつて出たりしたので、真面目なその博士は「これからです」と訪問した新聞記者に一言して、青い顔をして第一回の距離をノートに書きとめて更にそのところから第二回の弾丸を打ちま
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