の店でも何でも探《さが》して見よう。……なに、きっと見つかるよ。」
 ポピイは、つけ元気をして、こう言いました。
「しかし、あんな、やんちゃなモーティのことだ。ことによると、悪い仲間にさそわれて、警察にでもつかまってるんじゃアないかな。」
 ポピイが言いますと、ピリイは、心の中では、そうかも知れないと思いながら、やっぱり打消さずにはいられませんでした。
「いいえ、やっぱり私は盗まれたんだと思いますわ。――ねえ、あなた、一つ新聞に広告をして見ようではありませんか。」
 そこで、モーティを見つけて下すった方には、お礼をするという広告をいくつかの新聞に出しました。しかしちっとも、てがかりはありませんでした。返事は、ずいぶん来るには来たのですが、みんな見当ちがいのいい加減なものばかりでした。二人は、また、がっかりしてしまいました。

        六

 その内に、ポピイは、いよいよ御主人のおともをして、下町へ出かけました。今日《きょう》こそは、どうしてもモーティを見つけなければならないと思って、ポピイは一生けんめいです。オートバイらしいものがあるとポピイはランプの眼をくりくりさせて見すえま
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