れないかね。」とポピイが言いました。
「ええ、おじちゃん。何にでもなりますよ。」
小さなオートバイは、やっぱり「養子」とは何のことか分らなかったのですが、おじさんが、いいおじさんらしいので、安心してこう言ったのです。
「何て、すなおな子でしょう。」ピリイは小声でポピイに言いました。「この子の親たちは、きっと、りっぱな車に相違ありませんよ。」
「それから、何ていうの、お前さんの名前は?」
「僕、モーティです。」オートバイが言いました。
「それだけなの?」ピリイが聞き返しました。
「だって、それだけしか知らないんですもの。」
少し慣れて来たオートバイは、今度はちょっと、むっつりしてこう言いましたが、嬉《うれ》しくって嬉しくってたまらない二人は、気にも止めませんでした。
「養子ってなアに。え、おばちゃん。」
しばらくして、モーティは、こう聞きました。ポピイとピリイは顔を見合せて笑い出しました。
「この子は、まだ何《なん》にも知らないんだよ。」
ピリイは、かえって、それが好都合だと思いました。で、くわしく、わけを話して聞かせました。養子というのは、私たちの子になることだ、そうすればみん
前へ
次へ
全14ページ中5ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
木内 高音 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング