躯、一脚歩を屋外に移す能はざるの境に在《あ》りて、能《よ》く何をか為《な》さむ。吾れ一たびはこの矛盾に泣きぬ。而してやがて「世にある限り爾《なんぢ》が最善を竭《つ》くすべし、神を見たるもの竟に死なず」てふ強き心証の声を聞きぬ。新たなる力は衷より充実し来たりぬ。それ吾が見たる神は、常に吾れと偕《とも》に在《い》まして、其の見えざるの手を常に打添へたまふにあらずや。
(明治三十八年五月)
底本:「現代日本文學大系96」筑摩書房
1973(昭和48)年7月10日初版第1刷発行
入力:j.utiyama
校正:Juki
1999年2月19日公開
2000年11月13日修正
青空文庫作成ファイル:
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