#「殴りつけ」に「×」の傍記]た。柄のこじりが折れて飛んだ。支部長の顔にさっと血が流れ[#「血が流れ」に「×」の傍記]た。
 それを見た瞬間、各職場の従業員達は堰を切ったように歓声を挙げて空地に雪崩れ出た。
 旗の柄は三つに折れ、支部長は頭を抱えて走った。幹部達も我先にとその後を追った。
 工場側では当分その約束の手当を払えないと言うのだ。然も、支部長ともあろうものがそれを組合員に押付けようとするとは。もう欺されはせぬ。俺達は俺達だけで結構だ。
 今、失業者と就業者の歓声はお互の連帯を誓う[#「連帯を誓う」に「×」の傍記]握手と団結に融け合って高く高く挙る。
「首切りを取消せ!」
 彼らの強く踏みつける靴の下でダラ幹組合旗はへし折られ、蹂躙され、破れた。彼らは今こそ全協の旗の下[#「全協の旗の下」に「×」の傍記]でストライキに起つた。
 汚れた旗よ、失せろ!
 俺達は新しい全協[#「全協」に「×」の傍記]の旗を高く掲げよう!



底本:「日本プロレタリア文学集・20 「戦旗」「ナップ」作家集(七)」新日本出版社
   1985(昭和60)年3月25日初版
   1989(平成元)年3
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