是を以て一種の哲学となし、因《よつ》て以て人事を律せんとするに至つては即ち大声叱呼して其非を鳴さゞるを得ず、而して世の短視なる者詩人の斯の如く説くを見て直《たゞ》ちに是れ詩人の哲学也と曰ひ明月や池を廻つて夜もすがらと歌ひし為めに芭蕉は斯の如き宗教を有すと断ぜんとす吾人は之が為めに長歎を発せざるを得ざる也。
[#地から2字上げ](明治二十六年四月十六日)



底本:「現代日本文學体系 6 北村透谷・山路愛山集」筑摩書房
   1969(昭和44)年6月5日初版第1刷発行
   1985(昭和60)年11月10日初版第15刷発行
初出:「国民新聞」
   1893(明治26)年4月16日
入力:kamille
校正:鈴木厚司
2006年7月3日作成
青空文庫作成ファイル:
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