透谷全集を読む
山路愛山
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)慙愧《ざんき》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)猶|故《ことさ》らに
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地から2字上げ](明治三十五年十月十一、十三日)
[#…]:返り点
(例)加[#レ]之
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)浮々《うか/\》
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(一)
僕は透谷全集を読んで殆んど隔世の感あり。透谷の精力の或部分は実に僕を攻撃する為めに費されたるものなりしことは僕の今にして慙愧《ざんき》に堪《た》へざる所なり。勿論私交の上に於ては僕は透谷の友人と称すべき一人たりしことを要請する権利ありと信ず。然れども透谷は友人たるが為めに異論者を用捨するが如き漢子《をとこ》にはあらざりき。否、友人たるが為めに故《ことさ》らに弁難攻撃を試みたるものならん。加之《しかのみならず》透谷の感性は非常に強かりしかば僕等が書き放し、言ひ放しにしたるものも、透谷に取つてはそれが大問題を提起したるが如く思はれし
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