しまうのは、わるいと思ったからでした。それが、すんでしまうと、こんどは、たいへんつかれていましたから、ねようと思って、一つの寝どこにはいってみました。けれども、どれもこれもちょうどうまくからだにあいませんでした。長すぎたり、短すぎたりしましたが、いちばんおしまいに、七ばんめの寝どこが、やっとからだにあいました。それで、その寝どこにはいって、神さまにおいのりをして、そのままグッスリねむってしまいました。
日がくれて、あたりがまっくらになったときに、この小さな家の主人たちがかえってきました。その主人たちというのは、七人の小人《こびと》でありました。この小人たちは、毎日、山の中にはいりこんで、金や銀《ぎん》のはいった石をさがして、よりわけたり、ほりだしたりするのが、しごとでありました。小人《こびと》はじぶんたちの七つのランプに火をつけました。すると、家の中がパッとあかるくなりますと、だれかが、その中にいるということがわかりました。それは、小人たちが家をでかけたときのように、いろいろのものが、ちゃんとおいてなかったからでした。第一の小人が、まず口をひらいて、いいました。
「だれか、わしのいす
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