一のうつくしい女になったと安心していましたので、あるとき鏡《かがみ》の前にいって、いいました。
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「鏡や、鏡、壁《かべ》にかかっている鏡よ。
国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。」
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すると、鏡が答えました。
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「女王《じょおう》さま、ここでは、あなたがいちばんうつくしい。
けれども、いくつも山こした、
七人の小人の家にいる白雪姫《しらゆきひめ》は、
まだ千ばいもうつくしい。」
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これをきいたときの、女王さまのおどろきようといったらありませんでした。この鏡は、けっしてまちがったことをいわない、ということを知っていましたので、かりうどが、じぶんをだましたということも、白雪姫が、まだ生きているということも、みんなわかってしまいました。そこで、どうにかして、白雪姫をころしてしまいたいものだと思いまして、またあたらしく、いろいろと考えはじめました。女王さまは、国じゅうでじぶんがいちばんうつくしい女にならないうちは、ねたましくて、どうしても、安心していられないからでありました
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