る方の半分を受けとってしまいました。けれども、一かじり口にいれるかいれないうちに、バッタリとたおれ、そのまま息がたえてしまいました。すると、女王さまは、そのようすをおそろしい目つきでながめて、さもうれしそうに、大きな声で笑いながら、
「雪のように白く、血《ち》のように赤く、こくたん[#「こくたん」に傍点]のように黒いやつ、こんどこそは、小人《こびと》たちだって、助けることはできまい。」といいました。そして、大いそぎで家にかえりますと、まず鏡《かがみ》のところにかけつけてたずねました。
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「鏡や、鏡、壁《かべ》にかかっている鏡よ。
国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。」
[#ここで字下げ終わり]
すると、とうとう鏡が答えました。
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「女王さま、お国でいちばん、あなたがうつくしい。」
[#ここで字下げ終わり]
これで、女王さまの、ねたみぶかい心も、やっとしずめることができて、ほんとうにおちついた気もちになりました。
ゆうがたになって、小人たちは、家にかえってきましたが、さあたいへん、こんども、また白雪姫が、地べたにころがって、たおれているではありませんか。びっくりして、かけよってみれば、もう姫の口からは息一つすらしていません。かわいそうに死んで、もうひえきってしまっているのでした。小人たちは、お姫さまを、高いところにはこんでいって、なにか毒《どく》になるものはありはしないかと、さがしてみたり、ひもをといたり、髪《かみ》の毛をすいたり、水や、お酒で、よくあらってみたりしましたが、なんの役にもたちませんでした。みんなでかわいがっていたこどもは、こうしてほんとうに死んでしまって、ふたたび生きかえりませんでした。
小人たちは、白雪姫のからだを、一つの棺《かん》の上にのせました。そして、七人の者が、のこらずそのまわりにすわって、三日三晩泣きくらしました。それから、姫をうずめようと思いましたが、なにしろ姫はまだ生きていたそのままで、いきいきと顔色も赤く、かわいらしく、きれいなものですから、小人たちは、
「まあ見ろよ。これを、あのまっ黒い土の中に、うめることなんかできるものか。」そういって、外から中が見られるガラスの棺《かん》をつくり、その中に姫のからだをねかせ、その上に金文字《きんもじ》で白雪姫という名を書き、
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