うな足音が聞えてきはじめました。それは、おこったあの大入道が、仲間を二人つれて来る足音でした。二人とも、さっきの大入道にまけずおとらずの、おそろしく背の高いやつでした。
私どもは、それを見るやいなや、大いそぎでいかだに乗りました。そして、沖《おき》へ向ってこぎ出しました。
すると、大入道たちは、岩を拾っては、いかだをめがけて、投げはじめました。そのため、私のいかだよりほかのいかだは、みんな海に沈んでしまいました。
私のいかだには、ほかに二人の仲間が乗っていましたが、三人とも、どうしてもここからにげたいと思いました。それで、あるかぎりの力を出して、こぎました。それで、まもなく、ほかの島へつくことができたのです。
この島には、大そうおいしい果物がありました。私どもは、たべたり、休んだりして、しばらくつかれをなおしていました。
するとにわかに、ざーざーと、おそろしいひびきが聞えてきました。そして私どもは、何だか急に気分が悪くなってしまいました。仕方がないので、じっとしていますと、とても大きな蛇が、ぬうーっとはいよって来ました。そして、あっというまに、仲間の一人をのんでしまいました。
「ああ、やっと一つのがれたと思えば、こんどは前よりも、もっと悪いことがやってくる。ほんとうに、どうしたらここからにげて行くことができるのだろう。」
と言って、私たちはなげきました。
それでも、助かった二人は、走りつづけて、やっと高い木の下まで来ました。そして、大いそぎで、その木へのぼりました。
その木には、運よくも、果物がなっていました。そこで二人は、まずお腹《なか》をこしらえました。
その夜、私は、一ばん高い枝にのぼっていましたが、また蛇のざーざーいう音で目をさましました。すると、どうでしょう、蛇は、木にぐるぐるとまきついて、今にも、たった一人の私の仲間を、のもうとしているのです。そして、あっというまもなく、また大きな口をあけて、ぺろりとのみこんでしまいました。
「ああ、こうなっちゃ、もうどうしたってだめだ。晩にのまれるのを、じっと待っているよりも、いっそ、がけの上から、海へとびこんで死んでしまおう。」
こう、私はひとりごとを言いました。
けれども、海べまで来てみますと、そんなことをするのは、あんまりいくじがなさすぎると考えたのであります。
そこでまた、引き返してきて、
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