允 実際癇癪を起しますよ、どうして、あなたは、そんな持ってまわったことをするんです。実につまらん。
諏訪 いいえ、持って回ったことじゃありません。妾は、須貝さんを、信用しないのです。これは一つに美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11]の為なんですもの。
昌允 あはあ。分った、母さんには……須貝さんが、母さんに好意を示したくせに、そのすぐ後から美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11]を貰いたいと言ったことがいけないのだ、そうですね。
諏訪 まあ! 昌さん!
昌允 しかし、そうするより、他に、どんな仕方があります。
諏訪 妾は、貰いたいと言ったことがいけないなど言ってやしない。
昌允 しかし、そうですよ、それは。
諏訪 昌さん、まあ、お聴きなさい、母さんは……。
昌允 いいですよ、母さん。それがいけないとは、誰だって言ってやしません。だけど、もう、すっかり済んじゃったわけです、実を言うと須貝さんは、追立てを喰う前に、自分で追ん出て行きました。あの人も莫迦じゃないですね。(去る)
[#ここから3字下げ]
諏訪、一寸打たれる。今更らしく、戸口の所へ出て行って外を見る。
美※
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