のはあんまり惜しい気がするんだ。
昌允 それは惜しい惜しくないに拘《かかわ》らず、今の場合須貝さんに、この家を出て行って呉れというのは少し無法でしょう。お父さん達の料簡《りょうけん》では、未納か美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11]か、どっちかをあの人に呉れてやるつもりだった。ところが須貝さんは美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11]を選んだ。その他の事はあの人には関係の無いことですよ。
諏訪 いいえ、あの人に関係の無いことでも、妾達の家庭には大きな関係のあることだわ。そして妾達にとっては、妾達の家が一番大事な問題なんですからね。他の事柄こそ、それに比べれば小さいことだわ。
未納 でも母さん、須貝さんは明日っから、始めて一本でお仕事なさるんでしょう。それだのに、今出て行って貰うなんて非道《ひど》いわ。そんなこと出来ないわ。
諏訪 あなた達、みんな妾に反対なんですね、いいわ、それでも妾は出て行って貰います。妾ひとりで、このことはやってみせます。(鉄風が何か云いかけるのを押えて)いいえ、あなただって、妾が此処に(胸を押えて)持っている、一つの理由をお聞きになったら、き
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