かわからないわ。
須貝 奥さん、一度だけ、一度でいいんです。聞くだけでいいんです。聞いて下さい。そしたら……僕も……。
諏訪 須貝さん。後生《ごしょう》! 妾はもう……。
[#ここから3字下げ]
美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11]、お茶とパンを持って入って来る。
[#ここで字下げ終わり]
諏訪 ああ。(当惑して)後生だから須貝さん、いい……わかったでしょう、早く済ませといて下さいね。
須貝 (膨れて)ええ、成可く……出来たら……。
美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11] チーズないのよ、母さん。
諏訪 チーズ?
美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11] パンって被仰ったんじゃなかった、先刻?
諏訪 ああ、そうそう、母さんうっかりして上って了うところだった。
美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11] 妾も、未納ちゃんと、お喋りしてて忘れてたのよ、御免なさい。
諏訪 あら? 両方で忘れていれば世話ないわね。須貝さん、如何?
須貝 (冷く)有難う。
美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11] おつまみになりません?
須貝 いや、僕はやっ
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