しいな。順序だ。
諏訪 どっちからでもいいじゃありませんか、そんなこと。
鉄風 わかったよ。よろしくやってくれ、じゃァ。
諏訪 妾、今日話してよ。区切りがついていいと思うの。明日《あした》っから、あの人も一本で仕事をするんだしするから。
鉄風 そうか、しかし無理には言わないようにしてくれ、恩を売るようにみえると厭だよ。俺は。まあ、なんだ……それとなく……。
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須貝。
[#ここで字下げ終わり]
諏訪 やあ、お帰りでしたか先生。
鉄風 やあ。今、ああ。(慌てて二階へ上って行こうとする)
諏訪 あら、そんなに逃げないで、此処に居て下さいよ、妾一人じゃ心細いわ。
鉄風 うん、しかし、俺は一寸。……(なんとか云って上って了う)
諏訪 変な人……。須貝さん、お掛けにならない? 此処へ来て。
須貝 ええ。僕、一寸|是《これ》から撮影所へ行ってみようと思うんですが。
諏訪 あら、今日は何にも仕事ないんでしょう。
須貝 それは、ええ、しかし道具を一寸変えたいと思うんで、その都合をみて来ようと思うんですが。新米は何だかそわそわしちゃって……。
諏訪 まあ。それはそれとして、後になさい
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