頬ばりながら)一向に要領を得んね。(諏訪に)同性愛じゃないか、二人は。
諏訪 厭ですよ、つまらない事言わないで頂戴。
鉄風 少し変だとは思わないかい。
諏訪 少し変なのは、昌さんの方ですわ。
鉄風 あれは、昔からああだ。
諏訪 いいえ、以前はそうでもなかったわ。ずっと前は……。
鉄風 そうじゃなかったって、どうじゃなかったんだ。
諏訪 此の頃、ずうっと、妾達から離れるよう、離れるようにしてるじゃありませんか。
鉄風 そうかねえ。一向俺は気がつかんが。
諏訪 妾は気がついてるわ。美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11]さんお茶でもいれない。
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美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11]、行きかける。
[#ここで字下げ終わり]
諏訪 ああ、こんなもの、もう要らないでしょう。持ってっといたら如何。それから妾、パンがあったら少し戴こうかしら。
[#ここから3字下げ]
美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11]、グラス、シェーカーなどを持って出て行こうとする。
未納、蹤《つ》いて行こうとする。
[#ここで字下げ終わり]
美※[#「にんべん+予」、第
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