して、その脈搏は真の人間のそれであったからである。斬れよ、死よ、斬れよ! そして、彼の善行がその傷口から飛び出して、永遠の生命を世界中に種蒔くのを見よ!
 何等の声がスクルージの耳にこれ等の言葉を囁いたのではない。しかも彼は寝床の上を見やった時に、まざまざとこんな言葉を聞いた。彼は考えた、万一この人間が今生き返ることが出来たとしたら、先ず第一に考えることはどんな事であろうかと。貪欲か、冷酷な取引か、差し込むような苦しい心遣いか。こう云うものは彼を結構な結果に導いてくれた、まったくね!
「この人はこう云うことで私に親切にしてくれた、ああ云うことで優しくしてくれた、そして、その優しい一言を忘れないために、私はこの人に親切にして上げるんだ」と云って呉れるような、一人の男も、一人の女も、一人の子供も持たないで、彼は暗い空虚な家の中に寝ていた。一疋の猫が入口の戸を引掻いていた、炉石の下ではがりがり噛じっている鼠の音がした。これ等のものは死の部屋に在って何を欲するのか、何をそんなに落ち着かないでそわそわしているのか、スクルージはとても考えて見るだけの勇気がなかった。
「精霊殿!」と、彼は云った。「
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