ったが、葬儀の案外立派であったのには、みんなもおどろかされた。当日の会葬者一同には白強飯《しろこわめし》と煮染《にしめ》の弁当が出た。三十五日には見事な米饅頭《よねまんじゅう》と麦饅頭との蒸物《むしもの》に茶を添えて近所に配った。
 万事が案外によく行きとどいているので、近所の人たちも少し気の毒になったのと、もう一つは口やかましい阿母さんがいなくなったと云うのが動機になって、以前よりは打ち解けて附き合おうとする人も出来たが、なぜかそれも長くつづかなかった。三月《みつき》半年と経つうちに、近所の人はだんだんに遠退《とおの》いてしまって、お玉さんの兄妹《きょうだい》は再び元のさびしい孤立のすがたに立ち帰った。
 それでも或る世話好きの人がお玉さんに嫁入りさきを媒妁しようと、わざわざ親切に相談にゆくと、お玉さんは切り口上でことわった。
「どうせ異人の妾《めかけ》だなんて云われた者を、どこでも貰って下さる方はありますまい。」
 その人も取り付く島がないので引き退がった。これに懲《こ》りて誰もその後は縁談などを云い込む人はなかった。
 詳しく調べたならば、その当時まだほかにもいろいろの出来事があ
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